新型コロナウイルスにかかってから「臭いがおかしい」と感じるあなた:嗅覚障害の治療

最近、電話で新型コロナウイルス後遺症の治療についてお問い合わせを受けることがありました。

特に新型コロナウイルス後遺症の治療を積極的に行っているわけではありませんが、私の医学的知見に基づき可能な限り対応させて頂いております。

 

新型コロナウイルス感染後には倦怠感や脱毛、味覚障害などいろいろな後遺症が残るケースがあるようです。

後遺症に関する記事はこちら

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新型コロナウイルス感染の後遺症

 

今回は新型コロナウイルス後遺症の一つの嗅覚障害についてです。

新型コロナウイルスではありませんが、これまでに

 

感冒後嗅覚障害

 

という、比較的低頻度と思われる嗅覚障害は報告されています。

 

新型コロナウイルス感染症に伴う嗅覚障害は少なくないため、多少、病態が違う可能性はありますが、

感冒後嗅覚障害の一種とは考えられますので、これについて解説していきます。

 

感冒後嗅覚障害はは鼻水や鼻詰まりなどの症状がないにも関わらず起こってくる嗅覚障害です。

中高年齢の女性に多いようですが、その原因ははっきりしていません。

感冒後嗅覚障害は

 

異嗅症

 

を自覚することが多いとされています。

 

異臭症には

  1. 本来のにおいとは異なるにおいを感じる・・・刺激性異嗅症
  2. においを発するものがないのに何らかのにおいを感じる・・・自発性異嗅症

がありますが、1の症例が多いとされています。

 

ですので、新型コロナウイルス感染症後の嗅覚障害も

  • 鼻水や鼻詰まりなどの症状がない
  • 臭いが異なる

といった特徴になっている可能性が高いかと思います。

 

この嗅覚障害の原因は嗅神経という臭いを感じる神経、あるいは脳内の一部の領域が障害されることが想定されています。

 

臭いがおかしいと感じているあなたは、「治療法はあるの?」と気にされていると思います。

結論として、

 

効果は十分ではないかもしれないが、治療法はある

 

とお伝えしておきます。

 

まず前提として、3年ぐらい経過すれば特に治療を行わなくても6~7割の人は自然軽快することが示されています。

ただ3年は長いので、少しでも早く改善させたいと思うのが心情かと思います。

 

そこで治療法なのですが、これまでに

  • 亜鉛
  • αリポ酸
  • ビタミンA
  • ミノサイクリン(抗菌薬)
  • テオフィリン(喘息治療薬)
  • ステロイド(免疫抑制薬、吸入と内服)
  • 漢方薬
  • 嗅覚刺激療法

の治療が試され、その効果を検討されています。

結果的に効果があったのは

  • テオフィリン(喘息治療薬)
  • ステロイド(免疫抑制薬、内服)
  • 漢方薬
  • 嗅覚刺激療法

でした。

 

嗅覚刺激療法は、あなたが自宅に臭いをするものを揃えて臭いを嗅ぎ分ける訓練をすれば、いつでもできる治療法です。

副作用の心配がいらず、安価でできますね。

※ちなみに研究では合成のバラ、ユーカリ、レモン、クローブの臭いを使用しています。

 

薬物を処方するとなると、ステロイドの内服は副作用などの面からやや敷居が高いです。

テオフィリンか漢方薬を使用することになりそうですね。

 

テオフィリンでは約50%の方に嗅覚障害の改善

 

が認められています。

 

漢方薬では当帰芍薬散あるいは人参養栄湯の効果が示されています。

どちらも四物湯という血虚を改善する成分のいくつかを含んでいます。

体質などのよって使い分けが必要とは思いますが、研究結果では

 

当帰芍薬散では約43%の方に嗅覚障害の改善

人参養栄湯では約36%の方に嗅覚障害の改善

 

が認められています。

 

ただこれは感冒後嗅覚障害の一般的な効果ですので、

 

新型コロナウイルス感染後の嗅覚障害にどのくらい効果があるかは未知数

 

です。

 

私が治療をするとすれば漢方薬を選択し、さらに慢性炎症を抑えるような漢方薬を追加して治療すると思います。

もちろん、他にも症状があればそれに合わせた漢方薬も検討するでしょう。

 

治療効果がどのくらい出るかわかりませんが、あなたが後遺症でお悩みなら一度受診してみて下さいね。

 

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